気管支喘息の診断について
気管支喘息は「発作性に起こる気道狭窄によって、喘鳴や呼気延長、呼吸困難を繰り返す疾患」と定義されています。
つまり、風邪やホコリ・ダニ、たばこの煙ほか、なんらかの誘発因子により気管=肺への空気の通り道が狭くなり、ヒューヒュー・ゼーゼー呼吸が苦しくなることを長期に繰り返す病気ということになります
喘息というと咳がでるようなイメージですが、咳き込むというよりむしろゼーゼーという音が聞こえ、呼吸をするのが苦しく、呼吸が速く、肩やお腹で呼吸するようになるのが喘息になります。
喘息の診断は定義をみたすことです。つまり、息を吐くとき=呼気の喘鳴や呼吸困難症状を繰り返し確認することにより行われます。くわえて、家族歴やアトピー素因、呼吸機能検査を参考に総合判断することになります
血液検査は喘息の診断はできず、重症の判断もできません。たとえばダニに反応があっても、関わりがあることは推測できますが、その値の高さが喘息の重症度とは関係なく、除去したことにより喘息を完治することはできません。
年長児では、風邪などの感染症罹患の回数も減り、感染症との鑑別が容易で、突然発症が見極めやすくまた、呼吸苦の訴えがわかりやすいため診断は比較的容易です。一方、乳児や3歳くらいまでの幼児では、風邪、気管支炎にそもそもかかりやすく喘鳴がでやすいため、喘息の診断はむずかしく、どうしても「喘息っぽい」「喘息性気管支炎」「風邪をひくと喘息になりやすい」という診断になります。
小児気管支喘息ガイドラインでは2歳未満の喘息の診断は明らかな呼気性喘鳴を3回以上繰り返した場合と広く診断することになっており、このためには聴診器で肺の音を聞いてゼーゼーがおもに息を吐くときに聞こえるかをその都度判定していく必要があります。
M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江
院長 高松昌徳